インドのEV市場はトップギアへ

Managing IP is part of Legal Benchmarking Limited, 4 Bouverie Street, London, EC4Y 8AX

Copyright © Legal Benchmarking Limited and its affiliated companies 2024

Accessibility | Terms of Use | Privacy Policy | Modern Slavery Statement

インドのEV市場はトップギアへ

Sponsored by

remfry-sagar-400px.png
car-6943487.jpg

インドではEVの採用が拡大し、いくつかの分野で成長の余地が十分にあることから、世界のEV先進国に追いつける可能性があると、Remfry & Sagarのサンヒタ・チャタジー氏は述べています

インドでは持続可能な未来に向けた国を挙げての取り組みが加速しており、2024年の電気自動車(EV)市場は著しい成長が続いています。この成長は、普及を後押しする政府の方針と、インドを含む世界的な技術の進歩に支えられたインフラの変化が主な要因となっています。

普及を後押しする政府の方針

インド政府は2015年、自動車に従来型燃料を使用することで発生する温室効果ガスの放出量を削減するため、EV販売促進プログラムであるFAME(Faster Adoption and Manufacturing of Electric Vehicles in India)を導入し、以来EV市場は大きく発展しています。

2015年から2019年まで実施されたFAME-1に続いて、初期投資費用の抑制によるEV市場の迅速な拡大をめざし、FAME-2が導入されました。FAME-2は2019年4月から2024年3月まで実施され、その間に529億4000万ルピーの補助金が製造業者に支給され、117万9,699台のEVが販売されました。

各種報告書によると、現在FAME-3がまとめられており、まもなく発表される予定です。FAME-3では、電動の二輪車、三輪車、公営バスの購入に対して金銭的インセンティブが提供される見込みです。

また、インド政府は2021年に、2種類の自動車向け生産連動型インセンティブ制度を承認しています。うち1つは2兆5,938億ルピーを拠出し、EVやその部品を含む高度な自動車技術製品の国内製造を促進するもので、もう1つは先端化学セル電池の製造を対象に1,810億ルピーの予算が計上されました。

これらの政策は、2030年までに温室効果ガス排出量を2005年レベルより35%削減するというインド政府の目標に、大きく貢献しています。また、2030年までに新車販売台数のうちEVが占める割合を30%以上にすることを目標にした世界的取り組み、EV30@30キャンペーンの一環としても効果を上げています。

さらに、これらの政策により全国各地で充電施設の設置が推進され、市民のEV購入意欲向上にもつながっています。電力省提供による情報では、インドには稼働中の公共EV充電スタンドが約12,146か所あり、マハーラーシュトラ州西部に最も多くのスタンドが設置されています。

これらの制度に加え、EV購入時の物品サービス税の減税と、道路税の免除措置が、インド全国でEVの販売をさらに押し上げています。次のグラフは、州別の販売台数を示しています。

Remfry 1.jpg

出典:Rajya Sabha Session 262のデータ( https://heavyindustries.gov.in/掲載)

政府はEV技術の導入も進めています。『 The Economic Times』誌によると、インド政府は、国家電気バスプログラムと「PM eBus Sewa」計画を通じて6万台の電気バスを配備することを目標としています。重工業省は様々な都市や州政府機関を対象に、これまで約7,000台のバスを市内運用向けに認可しています。

EVのインド国内市場

インド市場では現在、約35種類の電気自動車と電動SUVが販売されています。EV乗用車の製造メーカーでインド市場のシェア上位を占めているのは、Tata Motors、Mahindra & Mahindra、Maruti、Kiaなどです。インドの電気自動車メーカー協会(Society of Manufacturers of Electric Vehicles)によると、電動二輪車ではOla Electric、TVS Motor Company、Ather Energy、Bajaj、Ampereが上位を占めています。電動の三輪車(いわゆるトゥクトゥク)では、2023~2024年度はMahindra Last Mile Mobility、Bajaj Auto、Piaggio Vehiclesが主に販売拡大を担っています。

インドの自動車販売店協会連合(Federation of Automobile Dealers Associations)の発表では、2023年のEV販売台数は、次の表に示すように前年比49.25%の増加となりました。

カテゴリ

2022年暦年

2023年暦年

成長率(%)

二輪車

631,464

859,376

36.09

三輪車

352,710

582,793

65.23

商用車

2,649

5,673

114.16

乗用車

38,240

82,105

114.71

合計

1,025,063

1,529,947

49.25

インドの全体的なEV普及率は、2030年までに少なくとも8倍に増加し、販売台数にEVが占める割合も現在の5%から約40%に上昇すると予測されています。また、市場規模は343億6930万ドルの増加が見込まれています。インド政府のポータル、e-Amrit(Accelerated e-Mobility Revolution for India’s Transportation)によると、インドのEVバッテリー市場は、2023年の167億7,000万ドルから2028年までに277億ドルへと急拡大することが予想されています。

技術の進歩

EVの急速な進化とその採用の増加は、相次ぐ技術革新が特許の保護によって促進された結果でもあります。例えば、バッテリー管理システムや急速充電技術に関する特許は、EVをより実用的で消費者にとって魅力的なものにするうえで極めて重要な役割を果たしてきました。

EVパワートレイン(エンジンから車輪に電力を供給する車両コンポーネント)に関する特許では、ホンダ技研工業が優位を示しています。同社はバッテリー関連の特許数が約400件で、特許出願の75%を占めています。トヨタ、NTN、日産、Hyundai、Kiaなどの企業も後に続いています。

Remfry 2.jpg

出典:Derwent Innovation Reports

2023年と2024年は、バッテリーに関する技術の向上と強化がイノベーションの中心となっています。高ニッケル正極やシリコンアノードの登場に伴い、従来のリチウムイオン電池の密度と堅牢性が高まり、効率性が向上しました。また、高い充電効率と安全性強化を実現する全個体電池にも重点が置かれています。より利便性の高い充電ソリューション提供のために、ワイヤレス充電またはインダクティブ充電システムの開発も進められています。

ここ数年は、ホンダ、三菱、スズキ、トヨタ、TVSといった企業がこうした分野のイノベーションに貢献してきました。

Remfry 3 new.png

出典:Derwent Innovation Reports

2010年以来インドでは、25,000件を超えるEV関連技術の特許が出願されています。次のグラフは出願公開件数の推移を示しています。

Remfry 4.jpg

出典:Derwent Innovation Reports

インドのEV市場に関する最終考察

インドのEV市場は、中国、米国、ヨーロッパなど主要市場に比べてまだ比較的緩やかではあるものの、著しい成長を見せています。中国、米国、ヨーロッパなどの地域での成功は、強固なインフラと政府方針、そして市場規模の大きさが主な要因となっています。これらはインドが今後改善できる余地があるため、近い将来インドはEVの分野で大きな成功を収めることが可能です。

more from across site and ros bottom lb

More from across our site

AA Thornton and Venner Shipley’s combination creates a new kid on the block, but one which could rival the major UPC players
Amit Aswal explains why you should take on challenges early in your career and why the IP community is a strong, trustworthy network
Five members of Qantm’s leadership team, including its new managing director, discuss how the business is operating under private equity ownership and reveal expansion plans
In our latest UPC update, we examine an important decision concerning the withdrawal of opt-outs, a significant victory for Edwards, and the launch of a new Hamburg-based IP firm
The combined firm, which will operate under the Venner Shipley name and have 46 partners, will go live in December
Vidal, who recently announced her departure from the USPTO, said she decided to rejoin the firm because of its team and culture
Osborne Clarke said John Linneker’s experience, including acting for SkyKick in the seminal dispute with Sky, will be a huge asset to the firm
Fieldfisher led arguments in court before Kirkland & Ellis took over shortly after SkyKick was acquired, it was revealed last week
Lawyers at Finnegan and Fross Zelnick explain why privacy formed a natural extension of their firms’ IP practices and share expansion plans
The news that USPTO director Kathi Vidal is to step down early and WIPO’s aims for a design law treaty were among the biggest IP talking points this week
Gift this article